新しい出会いの形として、スマホ上のアプリを通じて理想のパートナーと出会える”マッチングサービス”。そのマッチングサービスについて最新情報をまとめた書籍『出会い2.0 スマホ時代の「新」恋愛戦術』が、ゴマブックス株式会社より出版された。
著者は、月間100万PVを有する日本最大のマッチングアプリメディア「マッチアップ」編集長・伊藤早紀(いとう さき)氏。1年で2,000本以上のマッチングアプリ関連記事を執筆し、また自ら20種類以上のアプリを使いこなされ、 “マッチングアプリソムリエ”として多くの利用者が抱える悩みや昨今の婚活・恋愛事情に寄り添ってきた。
そんな伊藤氏による出版記念パーティーが、10月27日都内某所にて開催された。結婚否定派として知られる堀江貴文(ほりえ たかふみ)氏と、2代目バチェラー小柳津林太郎(おやいづ りんたろう)氏の2名を迎えての対談のほか、マッチングアプリ研究家の藤原(ふじわら)氏によるマッチングアプリ講座が実施された。
本記事では当日の様子をお伝えしたい。
マッチングアプリ講座〜プロフィール写真編〜
藤原氏(写真左)と伊藤早紀氏(写真右)
はじめに、参加者の皆様のマッチングアプリ知識をリフトアップすべく、マッチアップ編集長・伊藤早紀氏(以下、伊藤氏)進行のもと、マッチングアプリ研究家の藤原氏によるマッチングアプリ講座が実施された。
そもそもマッチングアプリと出会い系を混同する方が多いので、その違いについての解説から始まった。
マッチングアプリは月額課金制で年齢確認や身分証明の提出が必須なものが多い。よって既婚者の入会者NGでありサクラも存在せず、恋人や結婚相手探しに向いたサービスと言える。
一方出会い系は、都度ポイントなどを購入する必要がある追加課金制で運営されており、年齢確認や身分証明書の提出も必要のないサービスが多い。よってフィルタリングがなされないので、既婚者であっても入会ができ、サクラも推定として多く、故に一般的にイメージされるようなセフレ・不倫・援助交際などの温床になっているとのことだ。
その上で、現状のマッチングアプリ利用者全体の男女比は、男性7:女性3とのこと(マッチアップ調べ)。男性の比率が多い中、それを前提とした戦略を練る必要があるとのことだ。
藤原氏によると、マッチングアプリでのマッチング成立のポイントは、プロフィール写真とプロフィール文章の出来に収斂されるとのこと。以下、まずはプロフィール写真のNG例について解説された。
<男性NG例>
・トイレ男子:なぜかトイレでの自撮り写真が多いとのこと。トイレである必要は一切なく、印象も良くないのでやめましょう。
・自撮り写真(証明写真男子):証明写真データをそのままアップしてしまう方も一定数いるとのこと。かたいイメージがついてしまうのでやめましょう。
・背景汚い男子:自室内での自撮りの際に、汚い部屋をさらけてしまう方も一定数いるとのこと。背景は大事であり、汚い部屋は圧倒的なマイナスポイントなのでやめましょう。
<女性NG例>
・SNOW女子:写真加工アプリSNOWでの修正は、男性にとってマイナスポイント。使わないのが無難でしょう。
・加工しすぎ女子:目の大きさや顎削りなど、加工しすぎた写真をアップしてしまう方も多いとか。修正のしすぎは男性に嫌がられるのでやめましょう。
・顔近すぎ女子:人は隠れた部分を良い方向に妄想するので、顔をどアップで撮影するのは一見良いように思えるが、一部男性にとっては、実は太っているかもしれない、などの疑惑を生じさせる。あまりに近づいての撮影はやめましょう。
マッチングアプリ講座〜プロフィール文章編〜
次に、プロフィール文章についてのポイントアドバイスがなされた。
藤原氏曰く、プロフィール作成には3つのコツがある。自己紹介ではなく自己PRと認識する、自分も興味があって相手も興味がありそうなことを書く、相手にどんな価値を提供できるかをアピールする、の3点とのこと。
ここでは具体的な文章を使っての解説となったので、たくさんのアドバイスの中より、気になったものをピックアップしてご紹介する。
<あるあるだめプロフィール文章例①>
使い方よくわからなくて、ご迷惑をおかけするかもしれませんが、たくさんの方とお話できたら嬉しいです。
↓
<修正後>
削除
このようなコメントは「頼りない」「頭が良くない」というイメージを与えかねない。書く必要のない事なので、削除で良い。
<あるあるだめプロフィール文章例②>
他人をバカにする人、見下す人、感謝しない人、大切な方がいない人など、そういう人は理解できません。
↓
<修正後>
他人をバカにする人、見下す人、感謝しない人、大切な方がいない人などは少し苦手です。
自分自身のことを大切にする人、よく笑う人、人生を楽しんでいる人、相手を思いやる心がある人、大切な人がいる人など…是非そういった方々とお話してみたいです。
強い口調での否定をネガティブに捉える方は一定数いる。表現をマイルドに”苦手”と表現して、前向きな締めくくりにすると良い。
<あるあるだめプロフィール文章例③>
都内の大手商社で働いており、最近まで海外に駐在していました。
↓
<修正後>
都内の大手商社で働いており、最近まで海外に駐在していました。帰国してからも大きな仕事を任されており、日々忙しいながらも充実した日々を過ごしています。将来的にはもっと大きな仕事を任されるような人間に成長していきたいと思っています。
大手商社勤務で海外勤務ありのことをあっさりと終わらせるのは非常に勿体無い。仕事のやりがいや目標と合わせることで、仕事も充実していることをアピールすると良い。
そもそもなんで結婚したいの?
小柳津林太郎氏(写真左)と堀江貴文氏(写真右)
続いて第二部では、結婚否定派として知られる堀江貴文(ほりえ たかふみ)氏と、2代目バチェラー小柳津林太郎(おやいづ りんたろう)氏の対談である。
Amazon Prime Videoで配信されている恋愛リアリティの婚活サバイバル番組「バチェラー・ジャパン」シーズン2に出てまで結婚という道を選ぼうとした小柳津氏の結婚観と、結婚否定派と知られる堀江氏の結婚観を通じて、現代を幸せに生き抜くためにはどうしたら良いのかが語られた。
伊藤氏進行のもと、以下、テーマに応じて両名の回答を要約してお伝えする。
伊藤氏:マッチングアプリ利用歴を教えてください。
小柳津氏:タップル誕生、クロスミー、東カレデート、堀江さんプロデュースの焼肉部、はあちゅうさんプロデュースの肉会を使っていました。
僕はマッチングアプリで彼女ができたことはないですが、普通にご飯を食べにいっていましたよ。肉会なんかは5年前くらいの話ですが、僕の同僚と2:2で、健全な食事会をしていましたね。
堀江氏:一回も使ったことがない。そもそもそういったものがあると認識した時は、すでにネット界隈で有名人になっていたし、そもそもやろうと思わなかった。
伊藤氏:マッチングアプリは婚活に使えると思いますか?
小柳津氏:使えると思いますよ!うちの会社(サイバーエージェント)でも何組も結婚していますし。僕の元々の直属の部下も、マッチングアプリを通じて結婚しました。
堀江氏:俺は結婚したくない。そもそもなんで結婚したいの?
その時々の自分の置かれている立場とかライフスタイルの変化によって、ずっと一緒にいたい人ってのも変わってくるのが自然だと思うんだよね。
そこで結婚って障害でしかないかなって。
小柳津氏:うちの両親も週末婚なので、おっしゃることをよくわかります。
僕の場合は小学校3年から中学校3年までを海外で過ごしていまして、家族で助け合って生きていく、みたいな側面がありました。その影響もあってか、生涯助け合う家族を育めたらいいな、と思っています。
あと自分の子どもが欲しいと思っています。僕自身、長男の長男の長男の長男に生まれていて、自分の血が通った子どもを育てたいなという思いと使命感がありますね。
堀江氏:古風だね(笑) 俺は友達の子どもの方が、距離感がちょうど良いな。
合コンよりマッチングアプリ?
堀江氏:小柳津さん、合コンとか行くの?
小柳津氏:最近は全然そういうの行かなくなりましたね。仲間内でキャンプとかは行ってますが。
堀江氏:キャンプは行かないなー、せいぜいバーベキューくらいだな(笑)
意外だね。異業種の女性、アナウンサーとかモデルさんとかと合コンとかしてるようなイメージだった。
伊藤氏:そこは合コンなんですね。マッチングアプリは合コンより効率が良いって、堀江さんも「出会い2.0」で書かれていますよね。
堀江氏:普通の人にとってはね。普通の人にとっては、どんな子が来るかわからない合コンよりも、写真を事前にチェックできるマッチングアプリの方が、そりゃ効率いいよね。時間の有効活用ができるし。
俺とか小柳津さんは、要は普通の人じゃないよね(笑)
伊藤氏:なるほど(笑)
小柳津氏:今は、ちょっと静かにしていようかなと思っています。
堀江氏:えー、勿体無いよ!人生には3回モテ期があるって言われているけど、間違いなくその中の1回の時期じゃん。
出会いって、要は試行回数だと思うのよ。試行回数が多ければ多いほど、自分にとって一番いい人に出会いやすくなるから、この機会にどんどん会っていった方が良いと思うな。
小柳津氏:徐々に増やしていこうとは思っています!
ニッチな婚活アプリは良い?
伊藤氏:ニッチ分野でのマッチングアプリが婚活に良い、とも書かれていますよね?
堀江氏:ニッチ、いいと思うよ。LGBT向けとかね。
小柳津氏:アメリカではもう普通にLGBT向けのマッチングアプリが使われていますよね。でも日本じゃまだほとんどないですよね。
伊藤氏:そうですね。日本でニッチなものだと、マッチョ好き向けだったりとかはありますね。
堀江氏:ネットでの出会いって、どんどん細分化しているよね。
例えばパパ活。今パパ活アプリってすごく流行っているんだけど、仕組みは簡単で、男性が1万円を月々払っているかどうかってだけなのよ。それだけなんだけど、こんなよくわからないものに1万円も払っているということ自体がフィルターになっていて、お互い出会いの需要と供給が合致しているんだよね。
でもこれが普通のマッチングアプリだと、すごくケチな人も混じっていて、なかなか目指している人に出会えない。
伊藤氏:今のマッチングアプリも、恋活や婚活など、目的別に応じたサービス内容をうたっていますよね。
堀江氏:もっと細分化してもいいよね。そっちの方が課金しやすいと思う。利用する側の安心にもなると思うし。
小柳津氏:最近は本当に、普通の人が普通に使っていますよね。
堀江氏:それは本当にそう思う。
昔は怪しいイメージがあったから、いわゆる普通の人、特に女性は使っていなかったと思う。俺の友達の話を聞いていると、「待ち合わせしたらすげーのが来た」みたいな話とか聞いていたから。
でも今は、その辺を歩いている普通の人が来るって言ってたね。
伊藤氏:小柳津さんは使っていて、どれくらいのお相手が想定の範囲内でしたか?
小柳津氏:プロフィール写真と見比べると、7割くらいは想定の範囲内でしたね。盛られすぎている写真は、怪しい傾向が強くなると思います。SNOWとか。
堀江氏:SNOWね。
犬の鼻にしている女性っているじゃん。あれ何なのかなと思っていたら、日本人の女性って鼻が低いことをコンプレックスに思っているから、犬の鼻とかにしているんだって。
俺ら、鼻が低いとか全然気にしないじゃん?
逆に、気分的になくなっちゃうよね。犬の鼻の人。
どんなマッチングアプリがオススメ?
堀江氏:本は売れていますか?
伊藤氏:おかげさまで、全国のローソンに置かせていただいています!
小柳津氏:伊藤さんのなかで一番オススメのアプリなんてあるんですか?
伊藤氏:正直、目的によってオススメは変わりますね。
私みたいなアラサー女性で婚活も視野に入れている人は、会員数の多いPairs(ペアーズ)のようなアプリがいいんじゃないかなと思います。
堀江さんもおっしゃっていたように、試行回数、つまりあった回数が多ければ多いほど、良い人に出会える確率も上がると思うので、私の場合は、あらゆるアプリに登録して片っ端から使いますね(笑)
堀江氏:どれくらいの人に会ったの?
伊藤氏:全部で100人くらいですかね。
小柳津氏:100人!累計でどれくらいの期間使っていたんですか?
伊藤氏:累計で3年くらいですね。
私自身、名古屋から上京してきて、友達がいなかったから、手っ取り早く知り合いを増やしていくことも目的にして使っていました。
堀江氏:やばい人とかいなかったの?
伊藤氏:たまにいました!とは言っても、お店を予約していなくて、新宿の街を1時間くらい一緒にさまよわされたりとか、それくらいですね。
本当に身の危険を感じるようなやばい体験は、私の場合はないですね。
写真と文章を見て、メッセージのやり取りをすることで事前にそれなりのフィルタリングができるので。
危ない人は、LINEIDをすぐに知りたがったりなど、距離の詰め方がおかしいので、普通にしていればわかりやすいと思います。
結局は直感ですね。
編集後記
日本にマッチングアプリができたのが2012年。その頃はこのような書籍が出版され、著名人の方がトークイベントをやるなんて想像できない業界でした。
それだけマッチングアプリが市場に受け入れられ、出会いの幅が広がっている証拠なんだと思います。
マッチングアプリでの出会いに課題を感じられている方は、ぜひ「出会い2.0」を購入されてみてはいかがでしょうか。きっと新時代の出会いについてのヒントになるはずです!
※Love Tech Mediaでは各種マッチングアプリについても取材しております。こちらの記事も併せてご参照ください。
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